2013年11月13日 カテゴリー:日記 コメント:コメント:0
新作「エスムルブ紀行文3」ペン入れ進んでおります。
しかしながら今回の「ペッパーズ書店」には間に合わなくなりそうで…。誠に申し訳ございません!!
翌年2014年1月に開催されますYOUNG ARTIST’S BOOK FAIR_8thにて発表させていただきます。
楽しみにしておりました皆様誠に申し訳ございません。遅れてしまった分必ずより素敵な作品に仕上がるよう尽力致します!
では…
前回今に続く様々な事柄のはじまりを書かせていただきましたが本日はその続きでございます。
個性豊かな芸術系高校のメンバーに囲まれて、それぞれが自由に色々なことを発信する環境に巡り会いまして、とても衝撃を受けたのと同時にすごく楽しいと感じることが出来ました。
そんな中自然と「私も何かしたい。」という思いを感じはじめました。
でも何を?
そう考えていたそんな時、私は友人と近くのパルコに入っていた「ビレッジバンガード」でとある本と出会いました。
それが井上直久先生の「イバラード博物誌」でした。
当時(今でも?)私たちはよく美術系の雑誌や書籍が集結する「ビレッジバンガード」通称ビレバンで遊んでいたのですがこの本との出会いは衝撃でした。
「イバラード」と名付けられた、現実を幻想の世界へと昇華させた美しい絵。完璧な世界観。添えられた短文がさらに観るものを奥深い世界へと探究させてくれます。すごい。これはすごい!
そうか。こんなふうにやればいいんだ。
自分も不思議なビジョンが街の中や木々の中に見えることがある。それは不思議な世界へ繋がっている気がする。
自分もそんな風にそれを表現してみたい。これをやりたい!
ということで、井上先生の「イバラード博物記」を真似て描きはじめたのが、今回ギャラリーにも置いてある「エスムルブ放浪記」でした。
元々エスニックなものが好きだったのと、古今東西の雑多で色々な世界が織り混ざった世界観を描きたかったので「エスムルブ」と名付けることにしましたが、当時は特に深いことは何ひとつ考えてはいませんでした。
けれどこの時からひとつ「自分だけのモノサシ」を手に入れることが出来たような気がしました。
そこからは現実の世界を見るのが楽しくて楽しくてなんでも写真に撮ったり出掛けていったり自分の世界が大きく広がったのを覚えております。
そしてそれがまた大きな何かを呼び覚ましてくれました。
「本」を作ることです。
描き進めているうちにたくさんの登場人物が現れ、お互いに会話を交わしはじめました。
美術部で漫画などを描いていたのですが、もっとそれらを人々を表の世界に引っ張り上げることの出来るいい表現はないかなあと模索しておりましたそんなとき、手元にちいさなメモ帳がありました。
そうだ。これにパラパラ漫画みたいな要領でお話描けないかなあ。
そう思って授業の合間や休み時間にちまちま描いたのが 「その日 少年は初めて夢を見た。」という本でした。
本というにはあまりにも粗末なつくりですが、個性豊かで奇抜なものを多く作っていた美術部でこの作品はいろんな人に「おもしろい!」と言っていただけました。
それがとても嬉しかったのと、その表現でいろいろなことが言えそうな気がしてもっともっと描きたくなりました。それが、今も作り続けている「アーティストブック」のはじまりでした。
それからもっともっとこの道をつきつめたくなって私は残りの高校時代、もう2冊の本を描きました。
ひとつは凍った木と壊れた人形の物語「ヨリの木」と、もうひとつは高校最後一年を費やした卒業制作「i(アイ)」でした。
もともとお話を描いたり漫画を描くのが好きで好きでたまらなかったので、その両方を組み合わせて表現するこの本の世界の奥深さに、私はすっかりハマってしまいました。
色々なことを育んでくれた高校を卒業して進んだ多摩美術大学。
そこで私は「絵本創作研究会」というサークルに入りまた本作りにのめり込みました。
「旅上詩集」「エスムルブ紀行文」「エスムルブ紀行文2」「EKB天体観測所」「あの人に この話を。」「コズミックバース」「銀笛少年」「さよなら カヤン。」etc…
これらの作品はこちらのwebサイトでもダイジェストだけ読むことが出来ますが、近いうちに全文読めるようにしたいと思います。
そしてこれをたまたま見て下さったPepper’s Galleryの方がお誘いを下さり、2007年からは毎年冬に新宿紀伊国屋書店さんやニューヨークなどで展示発表をさせていただいたりすることが出来ました。
本当に「本」からはすごい出会いを今もたくさんいただいております。
本を描いたり、「エスムルブ」の世界を探したり…。
世界はまだ広がり続けております。
10年経っても、まだ「はじまり」なんだなあと感じております。
本や、絵の世界を通じてたくさんの方の応援のお言葉や思いを頂戴することが出来、今年はwebサイトもオープンすることが出来ました。
まだ未完成な部分も多いですが、すこしずつよりよく出来ますよう尽力したいと思います。
まだたくさんのものたちが待っていて、姿を表して欲しい、描き出して欲しいとこちらを見ているのを感じます。
これからもいただいた様々な出会いに感謝して、様々な世界を描けるよう精進したいと思います。
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