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「さよなら カヤン。」の裏話

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 先日、「Gallery」の「アートブック」にて「さよなら カヤン。」というお話を公開致しました。

 

 この作品は、2010年の大学在学中に描きました。

 

 制作してから3年。今回は、このお話についての裏話を書いていきたいとおもいます(ここから先、お話の内容に触れる箇所がございます。お読みになられていない方や、あまりそういうのは知りたくない!興味ない!という方はどうぞスルーしてください(汗)!)

 

 

 この物語の舞台はエスムルブなのですが、実は大きく「歌津」が関わっています。

 

 「歌津」は私の生まれ故郷と呼べる場所で、そこは私にとってとても大切なところでした。

 辛い時。苦しい時。落ち込んだ時。1年に1度ここへ帰ってきていろいろなものに触れていると、自然にいろんなものを見出すことが出来、ゆっくり変わっていくことが出来ていつのまにか元気になることが出来ました。

 この場所へ行くことが、ひとつの「旅」だったのです。

 それはもう小さい頃からずっとそうでした。

 

 知らない人や知らない大人。会ったこともない場所や自然。そういうものに囲まれて生きていくこと。

 旅をする上で出会う多くの経験や体験。

 多くのことをここから学ぶことが出来ました。

 

 成長する上で、様々な葛藤がありました。

 それでもこの場所とそこにいる人々は私を受け入れてくれました。

 

 

 いつまでも、支えられている子供のままでいたくない。

 なにか私にできることでこの場所を、支えていきたい。

 

 

 そう思って生まれたのがこの「さよなら カヤン。」でした。

 

 カヤンと少年が列車を待ってうたた寝している駅のホームは、実は気仙沼線の歌津駅です。

 駅のシーンは、全面的に歌津駅のホームを連想しながら描きました。

 別離を予感する少年が見つめているのは、実は歌津の伊里前の町でした。

 

 空想と現実が交差する中で、この物語を思い描いて書き留めました。

 

 少年が大人になるために、大切なひとや場所に別れを告げる。

 そして旅立つ。

 そんな意味を込めて「さよなら カヤン。」になりました。

 

 

 そして、本当に皮肉なことです。

 

 その4ヶ月後、2011年3月。

 東日本大震災で本当に「歌津」はなくなってしまいました。

 

 

 一体なにがそうさせたのか分からないのですが、どこかで何かを直感していたのかなと、この作品を見ていると思います。

 無論、そのこととこの物語とはなんの関わりもありませんが、でも実は一番最初に「歌津」という場所の面影が入り込んだ作品がこの「さよなら カヤン。」でございました。

 

 この物語に登場する少年—「ハルン」とカヤンは、Galleryコーナーの「エスムルブ紀行文」の中にも登場しております。

 また、カヤンは今制作中の「エスムルブ紀行文3」の中にも登場して参ります。(写真家の男も、どこかで登場します。)

 

 3年前に描いたものなのでまだまだ未熟な箇所がたくさんありますが、お楽しみいただけたらとても光栄です。

 お読み下さいました皆様、誠にありがとうございます!

 来年1月に紀伊国屋書店新宿南口店にて開催されますアートブックフェアにて、紙の本バージョンもまた販売する予定です。

 詳しい情報はまたこちらよりお知らせ致します!

 

 

 今後も、「アートブック」コーナーでは読める作品を随時増やして参りたいと思います。

 どうか、よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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