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ポルトガルからのメール②

俺は英語辞書。ハンディタイプだ。
さて、今日はまた俺の話の続きだ。よかったら聞いてくれ。

 

さて、英語からっきしのコイツの所にある日突然英語のメールが来たことは話したっけな?

それも、ポルトガルから。

 

ヤツは慌てた。

「なんだ!?なんかマズいメールでもきたのか!?」

普段英語と何の接点も無いヤツからすると英語のメールは相当ビビる代物らしい。

 

しかしヤツもちったあ学習能力を効かせて英語の読みくらいは出来るようになってる身。

ビビらないでじっと見てみたんだ。

そしたら、こう書いてあった。

 

「私はポルトガルのブックコレクターです。

あなたの『トラベラーズノートブック』の2巻、3巻を持ってるんだけど、1巻はありますか?」

と。

 

ヤツは慌てた。また慌てた。

トラベラーズノートブックっていうのは、『エスムルブ紀行文』なんだ。

英語能力に乏しいコイツがニューヨークの2013年MoMA PS1のART BOOK FAIRに出品する際に英訳に苦労し、自分の出来うる限りの英語力で苦肉の策として付けたネーミングだった。

考えた。この名前をつけて展示販売したのはそれと2014年のニューヨークのYOUNG ARTIST’S BOOK FAIRのみ…。

つまりこのコレクターさんはそのどっちかで買ってくれてポルトガルに持ち帰ってくれたことになる!

 

瞬時にヤツの頭は回転した。

エスムルブ紀行文の1巻はある。あれは製本が大変で今はあまり増やしてないけどちょうど一冊だけある。送れる。送ってあげたい。わざわざ連絡してまで聞いてきてくれたのだから!

しかし、どうやって…?

 

日本国内ならまだしも、海外との直接の作品のやりとり。

ヤツにとっては初めての経験だった。

 

しかし相手が待っている!

相手がいる限り立ち止まっていられない!

 

ヤツは奮起してまずは通訳をしてくれる人を探しはじめたんだ。

 

(つづく)

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