2016年10月9日 カテゴリー:日記 コメント:コメント:0
新しい作品を描くにあたって部屋を整理していて、今年始めに集めたデッサンの資料集が出て来ました。
今年はじめNHKカルチャースクール「似顔絵塾」の講師となることになって試行錯誤しながら集めたものでした。
そんなとき、心忙しい中でフト振り返ります。
思えば受講料などをいただいて人様にお教えする事等初めてで、私等に本当に務まるのかと不安になった事を思い出しました。
カルチャーの先生だけでなく横浜美術館の市民のアトリエでも、計らずも先生をする事になり本当にドキドキの連続でした。
人様にお教えするためには、まず自分がしっかり咀嚼出来ていなければなりません。
ひとつの事柄をしっかり噛み砕き、伝達しやすい形にしてお伝えし、お手を動かしていただく。
あれから半年今もその事を考え続けております。
皆様にお配りするプリントを制作したり、どんな事をしようか思いを巡らせたり。まだまだ未熟ですが御前に立ちましてお話しさせていただいたり。
お仕事をする中で、今まで出会いお目にかかった先達の方々、素敵な後輩の方々から伺った大切な経験を今生かさせていただいているなと感じます。
歩みというのはゆっくりなので、どのくらい進んでいて、今どこに居るのか時に分からなくなってしまう時もあります。
暗闇の中を進んでいるときはなおさらです。
そんなときはある役者さんの言葉が浮かびます。
「辛かったり、痛かったりもがいているのは充実しているからで、僕は(とある役をもらって)◯◯になってからずっと充実しています。」
短い期間で役を作り上げなければならない難しい状況になった方が仰ったお言葉でした。
そういう見方があったか!と私は深く心に残りました。
こんなことで大丈夫かなあ、こうなったらどうしよう、と不安は常につきものです。誰かと比べて焦ります。
その時は苦しいですけれど、でも見方を変えるとそうなのかもしれない。
明確に答えが出ないから不安になりますし苦しいですが、その最中でその人は成長しているのです。
振り返ると、歩みは遅くても着実に前に進んでいるなと。
その時に「ああ、やっててよかったな」と感じるのかもしれません。
その時は前進している気が全然しなくても、努力を重ねて来た事はある日突然何かと結びついて、ぱっと日の当たるところへ出れてしまうものなのかもしれません。
そんな風にお部屋の整理中に思うのでした。
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