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読書のススメ

読書のススメ

 

 本、面白いです。

 超面白いです!

 こないだ新聞で今の大学生の4割が本を読まないとか書いてありましたけど本当でしょうか?(すくなくとも私の身の回りにいた美大生はみんな本大好きな人ばかりでしたが)

 もったいない!!!こんなおもしろいこと!!

 

 と、言っても実は私そんなに読書家でもありません(笑)。

 大学生の頃は銅版画を勉強することや本を作ることが楽しくて楽しくてたまらなくてそればっかりやっていたので、本当に気に入った本くらいしか読みませんでした。なので、他聞に漏れず私も「あんまり本を読まない若者」だったと思います。

 読書家で、何でも知っている級友にコンプレックスを抱いていたくらいです。

 

 それがどうして本を読みはじめたのか。

 きっかけは2つのことでした。

 

 ひとつは、卒業して時間が出来たから。

 そしてもうひとつは、ある先輩の影響です。

 

 

 大学を修了して作家活動を初めまして、正直、スケジュールとスケジュールのインターバルの期間何も仕事がない時はがっぽり時間が空きました。

 じっとしていられない性分なので、「何かしなくちゃ。何かしなくちゃ。」と焦るのですが、焦っても何も起きません。

 焦ってもどうにもならないんだから時間のあるうちにいままで出来なかったことを、なんでもいいからやろうか。

 

 そう思っていちばん最初に思い浮かんで来たのが「読書」でした。

 もともと本をあんまり読んでいないことにコンプレックスも持っておりました。(周りが読書家ばっかりだったので)。それならもう何でもいいから、とにかく興味を持った本を片っ端から読んでいこうと決め、「月に2冊は読む。」ことにしました。

 今から2年前です。

 

 それからというもの、いろんな本を読みました。お金はそんなにあるわけじゃないので、いつも図書館で借りてきます。

 別に何かを勉強しよう!!…と思うわけでもありません。「どういうことが書いてあって、読んだ自分はどう思うかな?」くらいの気持ちで始めました。

 そうしますと、今まで「なにが不朽の名作じゃ〜読まなくったっていいもの書いてみせるわい!」とか思っていたヒネた先入観が、「あれ、これおもしろいかも…!」という思いにだんだん変わっていきました。

 

 結局、ヘンなコンプレックスというのは「そんなことも知らないの?」というような嘲りを受けるのではというわたし自身の恥ずかしさから来ていたのだと気がついたのですが、それがどうしたすっごいおもしろい!

 

 知らないことは知らなくていいのです。これから知っていくのです。

 知らないことを能動的に知っていくのが喜びなのです。「そんなこと知らないの?」と聞かれても「はい!知りませんでした!今知れたことがとても嬉しいです!」とその人に向かって笑っていればそれでいいのです。

 嘲りを受ける恥ずかしさより、知ることに対する喜びの方がずっと勝ります。

 

 そして読書は、自分で本を選んで読み進めて、自分の今一番気になるポイントに意識があるのを知ることが出来ます。しかも集中出来ます。自分の頭で考えて、じっくり思索にふけることも出来ます。

 これは大変「自分から行動する仕事」になると思います。

 しかも、そこで知ったことは、じわじわと自分の体に染み込んで、ひょっとした拍子に表に現われる— 。これは大変ファンタジーです。その瞬間を心待ちにするのも楽しくて仕方ありません。絵を描く上でこんな面白いことはありません。

 

 

 そしてさらにこれはとても個人的な思いなのですが、本を読む人が本当に格好よく見えるのです。

 

 私が尊敬する人の中に、大学時代の韓国の留学生の先輩がおります。

 私と先輩とは席が近くて、お互いよく大学に来ていたので沢山お話しさせていただきました。

 先輩は名だたる絵画賞を受け、日本語英語韓国語を操る指折りの才女な方だったのですが、大変フランクで、気さくにいろいろなことを教えてくださり、また、私の相談に乗って下さいました。

 そんな方がある時古い本を読んでいて、「ねえ、安井さん。これなんて読むの?」と聞かれて、その本のある一節を私に差し出しました。

 見るとそれは日本人の私たちでもあまり読まなさそうな難しい古い本で、差し出した一節には「隈」の字がありました。その文字を先輩は私に問うたのです。

 「これは『くま』ですね。「すみっこ」とかそういう意味です。それにしても、すごい本読んでますね。」そう私が言うと先輩は、「うん、面白いよ〜。」といって微笑みました。

 

 その時私は、母国語でもない、その国の人すらも知らない難しい本を「面白い」と言って読む先輩の姿が、本当に眩しく思えました。

 「知りたがりなんだよ私は。なんでも知りたくて、知ることが面白いんだ。」

 ご飯をたべながら、先輩は私にそう語ってくれました。

 その先輩はいま日本と韓国を行き来しながら、作家としてお忙しく活動されております。それでもお会いすると昔と変わらない笑顔で「お〜。安井さ〜ん。」と言ってくれる明るく素敵な方です。

 

 その先輩の本を読む姿が、私の心のなかに、何故かずっと残っているのです。

 ああいう人になりたいな。

 それが、私が本を読みはじめた2つめのきっかけになると思います。

 

 その先輩は、密かに私が目指す憧れの先輩です。

 

 

 それでは最後に、読んだ本の記録は取ってなかったので正確なことは分からないのですが、思い出すためにちょっとここに一部分を書き出してみます。

 最近もっぱらハマっているのはもちろん「シャーロック・ホームズ」シリーズです(笑)!原作超面白い!

 「見るだけじゃなく観察しろ」、というホームズの言葉通り、自分の目と耳で、しっかりその中身を探究したいと思います!

 

 よい読書の旅を!

 

 

【ここ2年間で読んだ本リスト(思い出せる範囲でだけ…)】

(とても長いので、「もういいや!」という方はどうぞお見逃し下さいませ…!)

 

 

・月と六ペンス (モーム) (授業で読んで気になって全部読んでみました。)

・一千一夜物語 一巻

・ティファニーで朝食を (トルーマン・カポーティ)

・デミアン (ヘルマン・ヘッセ) (この本はすごい。)

・シッダールタ (ヘルマン・ヘッセ)

・車輪の下 (ヘルマン・ヘッセ)

・ヘッセ詩集 (ヘルマン・ヘッセ)

・リルケ詩集 (リルケ) (高校の頃からなんか好きでした。)

・夏の夜の夢・あらし (シェイクスピア)

・お気に召すまま (シェイクスピア)

・我輩は猫である (夏目漱石)

・王妃の館(上・下) (浅田次郎)

・憑神 (浅田次郎)

・寄りかからず (茨木のり子)

・八十日間世界一周 (ジュール・ヴェルヌ) (ラストシーンが… 胸熱です///)

・魔の山(上・下) (トーマス・マン)

・白い犬とワルツを (テリー・ケイ)

・生命40億年全史 (リチャード・フォーティ)

・高村光太郎詩集 (高村光太郎)

・ヴェロニカは死ぬことにした (パウロ・コエーリョ)

・わたしは最高にツイている (小林聡美)

・星の王子さま (サン・テグジュペリ)

・星占いのしくみ (石井ゆかり・鏡リュウジ)

・不安と孤独のレッスン (鴻上尚史)

・くちぶえサンドイッチ (松浦弥太郎)

・くちぶえカタログ (松浦弥太郎)

・本業失格 (松浦弥太郎)

・場所はいつも旅先だった (松浦弥太郎)

・暮らしの眼鏡 (花森安治)

・100年の難題はなぜ解けたのか (春日真人)

・老人力 (赤瀬川源平)

・外骨というひとがいた! (赤瀬川源平) (レジェンド「紙屑買いの大馬鹿者」)

・新解さんの謎 (赤瀬川源平)

・20代のうちにしておきたい17のこと (本田健)

・これで世の中わかる!ニュースの基礎 (池上彰)

・学び続ける力 (池上彰)

・昨夜のカレー、明日のパン (木皿泉)

・なくな、はらちゃんシナリオブック (岡田恵和) (見てました。大好きでした…!)

・美しい人 (須藤正親)

・モナリザの背中 (吉田篤弘)

・注文の多い注文書 (小川洋子/クラフト・エヴィング商会)

・星を売る店 (クラフト・エヴィング商会)

・東洋医学セルフケア (長谷川琤潤) (やってみたりしてます。)

・花物語 (牧野富太郎) (若いころの牧野さんの写真が。超男前です///)

・植物一日一題 (牧野富太郎)

・牧野富太郎自叙伝 (牧野富太郎)

・牧野富太郎植物記 (牧野富太郎)

・雪 (中谷宇吉郎)

・中谷宇吉郎随筆集

・鏡の中の物理学 (朝永振一郎)

・量子学と私 (朝永振一郎) (滞独日記がオススメです)

・目に見えないもの (湯川秀樹)

・星三百六十五夜 春 (野尻抱影)

・星三百六十五夜 夏 (野尻抱影)

・星三百六十五夜 秋 (野尻抱影)

・星三百六十五夜 冬 (野尻抱影)

・心配事の9割は起こらない (枡野俊明) (多摩美の先生だそうですよ!授業受ければよかった。)

・シャーロック・ホームズの冒険 (コナン・ドイル)

・シャーロック・ホームズの思い出 (コナン・ドイル)

・シャーロック・ホームズの事件簿 (コナン・ドイル) (もうことごとくホームズが格好いいです///)

・シャーロック・ホームズの叡智 (コナン・ドイル)

・シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (コナン・ドイル)

・バスカヴィル家の犬 (コナン・ドイル)

・恐怖の谷 (コナン・ドイル) (バーディ・エドワーズが超カッコいいです!////)

 …

 …

 …(まだなんかあったような、うっ、でも、思い出せない…。)

 

 そして読書の旅は続く…

 

 

ここまでお読み下いました皆様、本当にありがとうございました!

 

 

 

 

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