2014年12月1日 カテゴリー:日記 コメント:コメント:0
久しぶりに雨が降っている。
12月になり、いろいろなことを想う。
いろいろなことが変わった。
信じられないくらい、いろいろなことに巡り会った。
去年の今頃とは比べ物になれないくらい、自分の心も好転したし、たくさんのものを貰った。
去年の今頃は、もっと暗かった。見えた世界が。
とにかく頑張る頑張るを繰り返していて、気持ちを表現する事に怯えていた。
頑張ることで自分の心にフタをした。
私のなかには、自分でもどうしようも出来ないケモノがいることを私は知っている。
気持ちを表現することはそのケモノを解き放つことだ。
だから本当の気持ちをそのままに表現すると、きっとそばにいるひとの心を傷つけてしまう。それも残酷に。
だから黙っている。
ケモノが暴れ回るのを、じっとこらえている。
それをちゃんと解き放つことが出来るのは、絵を描くときだけ。
「絵」は。
「芸術」は。
どんなにそれが残酷なケモノでもそれを受け入れてくれるところなんだと。
それを知ったのも今年だ。
雨が降っている。
私は不意に泣きたくなる。
もうすぐ4年になる。
4年になるというのに。
私は、ちゃんと泣いたことがない。
失ったこと、さよならしたこと。
ちゃんとあの場所で泣かなかったばっかりに。
あの町の風景が。思い出が。
海よりも津波よりも大きいケモノとなって。
私の心の中を暴れ回る。
口を開けても乾いた泣き声しか出ない。
じくじくとした心の痛みは、決して涙に変わらない。
それなのにどんどんどんどん世の中に置いていかれるようで。
この雨のように泣くことが出来たら。流すことが出来たら。ちょっとはよくなるのだろうか。
前に進むってなんなのだろうか。
でも4年経とうとしてわかるのは、苦しんで苦しんでなんとか耐え忍んで生き抜いているその最中に、その心はたしかに大きく深くなっているということ。
その心は誰かを抱きとめるためにあるのだろうか。
信じられないくらい、今年は変わったよ。
来年は、どんなふうに変わってるかな。きっと予想も出来ないことが待っているんだろうな。
2014年11月21日 カテゴリー:日記 コメント:コメント:0
本当にびっくりした。
今年3月に新宿で「MIND MAP」というグループ展をしたのだけれど、
いま働かせていただいている仕事先の先輩がその直前に同じ会場で個展をなさっていた。
いやまさか。
もちろんその時には今の仕事場で働いているところなんてカケラも想像出来なかった。
けど。
そんなことってあるのか。
なんであのとき見に行かなかったんだろう。
いや、それは自分もちょうどギャラリー椿さんで個展をしていたから体力的に無理だったかもしれないけど(笑)。
でも。
行けばよかった。
たとえその時はその人のことを知らなくても。
ご縁というのは、人智を超えている。
一週間違いですれ違っていた私たちが、その後同じ環境で仕事をするなんて誰が予想したろう。
私はこれまで自分のことで精一杯で周りのことに気が付かずにいた。
こんなびっくりした偶然に。
身近な人がじつはすごいひとってことにも。素晴らしさにも。
全然気付かずにいた。
同じ場所でお茶を飲んでご飯を食べていたのに。
でもこれからは。
そのことを大切にしたい。
私たちの運命には常に計り知れないものが働いていることに。
実は身近にいるひとってすごいんだ。
ホントに尊敬する人ばかりなんだ。
2014年11月17日 カテゴリー:日記 コメント:コメント:0
おや?
と思った。
その人の鞄を持った時に。
私は外仕事に行く日が週に必ずあって、その度にその先で様々な先輩方にお世話になっている。
その鞄を持たせていただいた時もそういう日だった。
鞄はたぶんその先輩の通勤用の鞄で、いつも使われているものだった。
その先輩は男性なので鞄も男性用のあの四角くてちょっと長方形型のあんな感じだ。
たまたま荷物が多い時だったので私が先輩に渡そうと他の荷物と一緒にまとめてその鞄を手に取ったのだ。
そのとき。
何故だろう。
とてもその鞄が「美しい。」と思った。
その鞄がとても高級品であるとか、アンティークで使い込まれているとか、ブランドバッグだとか、そういうことではない。
何故だろうと考えた。
すると分かった。
ものすごく「その人」に似合うのだ。
簡素で、清潔感のある空気が、鞄の持ち手を取った時に伝わってきた。
とくに余計なものも入っていないスマートなフォルム。重み。
メッシュでカーキ色のカラー。
それが「その人」が携えると本当に同化するようにぶら下がっている。
それは本当に美しかった。
アイテムとは、本来そういうものではないだろうか。
ブランドもののバッグを下げている人はたくさん見かけるが、私は「あ。似合ってる。美しいな。」と思うことは残念ながらあまりない。
持ちたいものを持つのがそれは一番であると私は思う。
しかし「美しいか」という基準に立ったとき、やはり一番「いいな」と思うのはそれが本当にその人に似合うかどうかだと私は思う。
みんながつけているからとかトレンドだとか。
高いものを身につけてないとみんなに馬鹿にされるとか、安物を身に着けてると運がよくならないとか。
コロコロ変わる他者の思惑に乗せられるより、「似合う」「美しい」という唯一無二の価値観を持つこそが、一番その人が人生をたくましく生き延びることができるこつなのではないこと私は思う。
おそらくその先輩はそんなこと考えてその鞄を選んだのではないと思う。きっと機能的にもいいし一番実用的だったんだと思う。
でもその日私はそんなことを思いながらその鞄を提げた先輩の後ろ姿を見送っていた。
その姿は美しかった。