ナスパ、イナフエの祖父であり、相棒、旅上写真家アリエス・ヨークと共に数多の冒険を繰り広げた有名な旅行記者。
長身痩躯で物静かな性格。だが、勝負事にはめっぽう強い。チョーカーは黒いベルベットにムーンストーンの留め具のついたもの。数少ない「鉱石煙管」の真品を扱うことができる。甘いものが好き(特にドーナツ)。毎日のように日記をつけている。
やつれたような見た目に反して体は丈夫。
そもそもは旅商であった。
草原島と呼ばれる南の方の島出身。旅商の行き交うのんびりとした町に育った。
元々9歳年下の弟があり、外の世界に憧れる病弱であまり外出の出来なかった弟のためによく旅行記を読んであげていた。
そんな本の中に出てくるいろいろな冒険にふたりで夢見ていた。
カヤンもいつしか旅をする事に憧れるようになり、「いつか一緒に旅しよう」と弟と約束し。旅人を志す。
そんな矢先、弟は病没。カヤンは17歳で弟との約束を果たすために旅立った。
それからも多くの困難を経験。
しかし、そのひとつひとつを悩みながらも、苦しみながらも解決していくごとに不思議な力が備わっていく。
心の持ちようが色濃く反映されていくエスムルブという世界で、それは空間を自由に移動したり、存在の形をそっくり変えてしまったりという形で具現化していく。
最も大きな困難を体験をしたときに、彼は師匠アルミノと同じように「鉱石煙管の真品(―つまり宇宙の設計図のライン―)」のすべての力を引き出すことが出来るという力を得る。
彼はその力を旅商の仕事に役立てながら、後出会った相棒のヨークと共にかつて弟と果たせなかった夢、「世界を見てまわる」という夢を果たすために旅をしていく。
やがてその日々を綴っていた日記が人の目に留まるようになり、ヨークの写真とともに本になった。