草原島からさらに南に位置する離島群の少年。
町の食堂に住みつき、毎日大人も分け入らない野山へ行っては日暮れとともに帰って来る。そこで手に入れた珍しい食材や魚などを食堂店主におさめ生活している。
「白野」という名は居候先の食堂店主の息子が彼に付けた呼び名で彼とはいい友達であった。食堂の家族たちも皆寛容で白野を家族のように扱って暮らしている。
非常に大人びており、歳をかけ離れたような仕草や態度を見せる。学校などで学んだ訳でもないのに、屋根裏にある趣味で集めた店主の蔵書を読破してしまったり、島の人も誰も覚えていなかったような昔の話を昨日のことのように口にする。
どこか人間離れした哲学的な雰囲気がある。
彼の出自はまったく分かっておらず、誰から生まれてきたのかも、どこから来たのかも分からない。
島の中でもとりわけ町から一番離れた森と海とが混じり合う場所に赴いているらしい。
ある時から島を離れ、世界中を旅している。