若かりし頃のカヤンとヨークの目の前にいきなり現われた少年。
自分自身がどこから来たのかも、自分が誰だったのかも何もかも忘れてしまっている。
しかし本人はそんなことなどまったく気に留めず、カヤンとヨークとの旅が心から楽しくて仕方がないらしい。
屈託がなく何でも好奇心を抱き、知らないことは聞きたがる。
13〜14歳ほどに見えるが、カヤンの愛読している本を読破するなど、同年齢ほどの子と比べて頭はかなりいい。
元いた世界ではよほど表に出ることがなかったのか、外の世界に対しとても強い興味と憧れを持っていたようだ。
晴れて旅人になった彼のチョーカーは藍色と白のストライプに赤いタッセルのついたもの。
カヤンとヨークに買ってもらったものとしてとても大切に思っている。
時折、本当の世界の記憶を垣間みるが、思い出してはいけないような気がしてその思いを振り払う。
果たして彼の正体とは。