大きいリュックに赤い和傘。ペリドットのチョーカーの19歳の画家の青年。
そこいらに現われては近所の子に絵をあげたり、路上で絵を売ったり。その作風は幻想と不思議。そして極彩色。
でも気まぐれに現われるので会うのに苦労する。
彼自身元々孤児で、画術で高名な書生街の出身。
実はナスパの2歳年上の兄であるが、別々に育ったため本人は知らない。
右耳に青い雫形のイヤリングを常にしているが、その昔小さい頃水害から助け出された時からずっと身につけているもの。自分の知らない自分のルーツになるものとして肌身離さずつけ続けている。
旅に出たのは絵のために見聞を広めるのが大きな目的でもあったが、それとは別に「自分の本当のルーツ」を知りたいと思ったからでもある。
出身校でもある画学の学校にはいまだに仲間も多くいて、旅の道中にしょっちゅう帰っている。
彼は世界に隠された本当の自分のルーツを知ることが出来るのか。