日記

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もうちょっとで。

エスムルブ紀行文06

 

 

 本日もダイアリーにお越し下さり誠にありがとうございます。

 

 とうとう年末となりました。

 ただいま、たくさんの方にいただいたたくさんの事事をこなさせていただきながらエスムルブ紀行文3を制作しております。

 

 佳境に入って参りました。

 物語を考えていると、着地点が見なくて苦しむことがあります。

 でも、諦めないでやっていると最終的に「あ、このために苦しんでたのか。こうなりたかったんだ。」と納得する瞬間がやってきます。

 そのインターバルが長くて何ヶ月も経ってしまったり、途中でとりあえず置いておいて別の作業をすることもあります。

 でもそのうち時が経って熟すると、「あ。これを待ってたのか。」という瞬間を見つけることが出来るようになったりしたりするのです。

 それが、たまらなく面白いです。

 

 そこに辿り着くまで、七転八倒することもありますが、それでもその後が快感でやめれません。

 

 今回も、本当にいろいろと苦しい道もあったり険しい道もありました。

 それでも、最後には本当に清々しい光景が待っている予感がします。

 

 今日も頑張って、描いて描いて描きまくります。

 

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「さよなら カヤン。」の裏話

kayan_07

 

 

 

 先日、「Gallery」の「アートブック」にて「さよなら カヤン。」というお話を公開致しました。

 

 この作品は、2010年の大学在学中に描きました。

 

 制作してから3年。今回は、このお話についての裏話を書いていきたいとおもいます(ここから先、お話の内容に触れる箇所がございます。お読みになられていない方や、あまりそういうのは知りたくない!興味ない!という方はどうぞスルーしてください(汗)!)

 

 

 この物語の舞台はエスムルブなのですが、実は大きく「歌津」が関わっています。

 

 「歌津」は私の生まれ故郷と呼べる場所で、そこは私にとってとても大切なところでした。

 辛い時。苦しい時。落ち込んだ時。1年に1度ここへ帰ってきていろいろなものに触れていると、自然にいろんなものを見出すことが出来、ゆっくり変わっていくことが出来ていつのまにか元気になることが出来ました。

 この場所へ行くことが、ひとつの「旅」だったのです。

 それはもう小さい頃からずっとそうでした。

 

 知らない人や知らない大人。会ったこともない場所や自然。そういうものに囲まれて生きていくこと。

 旅をする上で出会う多くの経験や体験。

 多くのことをここから学ぶことが出来ました。

 

 成長する上で、様々な葛藤がありました。

 それでもこの場所とそこにいる人々は私を受け入れてくれました。

 

 

 いつまでも、支えられている子供のままでいたくない。

 なにか私にできることでこの場所を、支えていきたい。

 

 

 そう思って生まれたのがこの「さよなら カヤン。」でした。

 

 カヤンと少年が列車を待ってうたた寝している駅のホームは、実は気仙沼線の歌津駅です。

 駅のシーンは、全面的に歌津駅のホームを連想しながら描きました。

 別離を予感する少年が見つめているのは、実は歌津の伊里前の町でした。

 

 空想と現実が交差する中で、この物語を思い描いて書き留めました。

 

 少年が大人になるために、大切なひとや場所に別れを告げる。

 そして旅立つ。

 そんな意味を込めて「さよなら カヤン。」になりました。

 

 

 そして、本当に皮肉なことです。

 

 その4ヶ月後、2011年3月。

 東日本大震災で本当に「歌津」はなくなってしまいました。

 

 

 一体なにがそうさせたのか分からないのですが、どこかで何かを直感していたのかなと、この作品を見ていると思います。

 無論、そのこととこの物語とはなんの関わりもありませんが、でも実は一番最初に「歌津」という場所の面影が入り込んだ作品がこの「さよなら カヤン。」でございました。

 

 この物語に登場する少年—「ハルン」とカヤンは、Galleryコーナーの「エスムルブ紀行文」の中にも登場しております。

 また、カヤンは今制作中の「エスムルブ紀行文3」の中にも登場して参ります。(写真家の男も、どこかで登場します。)

 

 3年前に描いたものなのでまだまだ未熟な箇所がたくさんありますが、お楽しみいただけたらとても光栄です。

 お読み下さいました皆様、誠にありがとうございます!

 来年1月に紀伊国屋書店新宿南口店にて開催されますアートブックフェアにて、紙の本バージョンもまた販売する予定です。

 詳しい情報はまたこちらよりお知らせ致します!

 

 

 今後も、「アートブック」コーナーでは読める作品を随時増やして参りたいと思います。

 どうか、よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ドミトリーともきんす」の科学者たち

マキノくんたちの本

 

 こちら、最近の私の夜の友です。

 この本を書かれた方々はみな、100年以上前の日本の科学者です。

 

 この方々の本を集め出したきっかけは、偶然目にしたとある読み物からでした。

 イースト・プレス社が運営されているWebメディア「マトグロッソ」という読み物のなかに、「ドミトリーともきんす」(高野文子作)という作品がありました。

 最初このマトグロッソは、私が個人的に高校生の頃からずっと大好きだった漫画家でアーティストの近藤聡乃さんの連載を読めることで知りました。

 それが時を経るにつれてこの作品も読むようになってきました。

 というのも、この作品が「科学者の書いた本」に焦点をあてていたからでした。

 

 私は小さい頃から科学、というか理科が大好きでした。

 数学はからっきしだめだったのですが、化石、原子、生命、星座、天体、宇宙…など、教科書を読んでいるだけでワクワクが止まらない時間でした。

 ということで、学校を卒業しても個人的に本を読んだり図鑑を買ったりずっと密かに研究(というほど大げさではありませんが)を続けておりました。

 

 それで、「ドミトリーともきんす」にもうどっぷりはまってしまいました。

 今まで「現象」や「状態」など、科学者の皆様が解き明かしてくれた宇宙の不思議にワクワクしていたのですが、この作品からは「それを研究し続けた科学者が考えていたこと」を教えてもらいました。

 もう、大発見です。

 

 今読んでいるのが上の写真の5冊です。

 その作品をきっかけに、「彼らが何を考えていたのか」に強烈な興味が湧いてきて図書館や書店で見つけて参りました。

 以下、今読んでいるご本の簡単なご紹介と、個人的な感想です。(ご専門とされているみなさまからいたしますととっても申し訳程度の知識しかない素人の文面です。どうぞ、ご容赦下さいませ。)(そして、湯川秀樹博士の本だけまだ見つかっていなくて…(汗) ぬぬぬ必ず見つけたい。)

 

 

 左から、牧野富太郎博士の随筆と自叙伝です。

 

 図書館に行けば必ず置いてある植物図鑑、「牧野日本植物図鑑」を書いた人で、世界的な植物学者です。

 この方は生き方が本当にすごいです!

 小学校を途中で止めても植物学を独力で学び続け、色々な苦労を重ねつつも植物の魅力を一生発信し続けた大博士で、(ざっくりし過ぎていて申し訳ないくらいすごい濃い一生を送られました。)、なんというか本を読んでいたら背中をばーん!と叩かれ励まされたような気がしました。

 

 とにかく文章が歯切れよく、闊達で読んでいてスパーンと気持ちがいいです。

 牧野博士は「みんなが“そうだ”と思っていることでも、それに流されず自分の目と鼻と耳で真実を確かめる」人なんじゃないかなあと、ご本を読みながら思いました。

 ジャガタライモの件はまさにそれです。

 

 また、時折見せるお茶目な文章にきゅんと来てしまいます。

 いつか「新牧野日本植物図鑑」を買うのが目標です。

 

 

 中央は、ノーベル物理学賞を受賞された物理学者、朝永振一郎博士のご本です。

 

 朝永博士の書かれる文章は、本当に読みやすいです。

 私なんて科学のことは好きだけどさっぱり分からないのですが、朝永博士の書かれる本はまったく科学が分からない人でも分かりやすくしたためられ、難なく理解出来るように書かれております。

 中には、難しい事柄を扱った項もあるのですが、分かるところだけ流して読むだけでもとても面白いです。

 

 中でも右から2番目の「量子力学と私」(岩波文庫、朝永振一郎著、江沢洋編)は「滞独日記(沙)」に転げ回るくらいきゅんと来ました!

 

 ドイツ留学中の朝永博士の日々が綴られているのですが、たくさんの焦りと苦悩が赤裸々にしたためられていて、「ああ、ノーベル賞をとるほどの人でもこんな悩むものなのか!」と正直びっくりしました。

 

 偉いひとは、みんな雲の上の立派なひとなんだと私は勝手に思っておりました。が、この本ではどんな偉大な業績を築いたひとでも同じように「人間」なんだということを教えてくれました。

 私は、そんなところが大好きです。

 

 滞独日記は全部読みたいです。

 

 

 最後、一番右側は、世界で初めて人工雪の精製に成功した科学者、中谷宇吉郎博士の随筆です。

 

 中谷博士は雪と氷の研究で有名です。

 「雪は天からの手紙である。」という言葉をご存知の方もきっと多いと思われます。

 

 たくさんの随筆を書かれた方でもありますが、本当にその文章はじんときて、時にはっとして、なにかを揺さぶってくれます。

 

 また、能率主義な働き方や人間生活について「本当にそれでいいの?」と疑問符を投げかける文章「日本のこころ」など、今問題になっている事柄への鋭い洞察をビンビンに感じます。

 

 ちょうど本を読んでいる最中に京橋の方で中谷博士のことを扱った展覧会が催されていたのでダッシュで行ってきたりもしました。

 様々な条件下で結晶した雪たちは、万華鏡のビーズを見ているかのように綺麗でした。

 カタログも買ってしまいました。

 

 この本は図書館で借りてきて近々返さねばならないので、早く買って来ねば!

 

 

 素敵な作品に出会って、そこからさらにたくさんの出会いをいただきました。

 読んでいると「ええ!」「ホント?!」「うそだろ!」というようなまだ誰にも描かれていないようなワクワクすることがいっぱい出てきます。

 

 どのご本も、一生自分の本棚に入れておきたい本ばかりです。

 それを、そのうち作品で還元出来ればなと考えております。

 これからも色々な「理科」「科学」なことを研究したいです!

 

 次の「ともきんす」は12月12日。

 楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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